お母さんが餓鬼道に…!!
お釈迦さまの お弟子さんの モクレンさん。
神通力を持てたので、
亡くなったお母さんの様子を うかがったのです。
「あの優しかったお母さんが 餓鬼道で苦しんでいる!」
餓鬼道は、飢えと渇きに苦しむ世界。
モクレンさんは、神通力で食べ物を送りますが
お母さんが食べようとすると 食べ物は燃えてしまい
炭になり、何も口にすることができません。
悲しんだモクレンさん。
泣き叫びました。
そして、お釈迦さまに相談します。
「お母さんの罪は深いようです。」
「モクレン1人だけの力ではどうすることもできないよ。」
「モクレンの声が天地を動かそうとも、
神も四天王も、どうすることもできません。」
とお釈迦さま。
「どうすればお母さんを助けることができるのですか!?」
モクレンさんは たずねます。
お釈迦さまは おっしゃいました。
「僧たちが集まって 反省や懺悔をする機会があるから、
僧たちに、食事や飲み物、果物や寝具などを
心から ささげなさい。
そして、僧たちに祈願してもらいましょう。」
「父母、先祖、親戚も、
みんな苦しみから 離れることができるでしょう。」
「まだ父母が生きている人であれば、
百年の福楽が与えられるでしょう。」
僧たちとの供養により
モクレンさんのお母さんは、
餓鬼の苦しみから脱することができました。
とても喜んだモクレンさん。
他のみんなにも
同じように 願いを果たしてほしいと、
思うのでした。
■ ■ ■
お盆の由来である
「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」
というお経を紹介しました。
モクレンさんのお母さんは、やさしいお母さんだったのに
なぜ、餓鬼道へ落ちてしまったのでしょうか…。
それは、モクレンさんだけに
やさしくしていたから、のようです。
モクレンさんのように
自分のことだけでなく お母さんや、ご先祖さま、他のみんなにも
幸せになってほしい気持ちを思い出したい
お盆です。